やっつけ本番

思いついたら書きます

『HiGH&LOW THE WORST』は、あなたの日常をぶっ壊してくれる(ネタバレ)

みなさんは「ハイロー」という言葉を聞いたことがありますか?

ハイローとは「HiGH&LOW」の略称で、EXILE HIROが企画・プロデュース手がける、2015年からスタートした一大総絵巻メディアミックスプロジェクトです。
映画・ドラマ・漫画など様々な媒体で展開されているハイロープロジェクト。最新作は今年の10月に公開された、漫画『クローズ』シリーズとコラボした映画『HiGH&LOW THE WORST』

これ以降、『HiGH&LOW THE WORST』のことは通称である"ザワ"と呼びます。
ちなみに映画第1弾『HiGH&LOW THE MOVIE』はザム、映画第2弾『HiGH&LOW THE MOVIE2 / END OF SKY』はエンスカ、ハイローのテーマ曲を披露し、その世界観までも再現したLDHによるライブ公演『HiGH&LOW THE LIVE』はザラ、そして最近配信されたソーシャルゲーム『HiGH&LOW THE GAME ANOTHER WORLD』はザゲです。ザム、ザラ、ザゲ、ザワ……ダイナミックな略称にファンダムの個性が光ります。

ここ数年、Twitterの友人たちが次々と「SWORDの祭りは達磨通せやぁ!」「ムゲン……」「どうしちまったんだよ琥珀さぁん!」などと取り憑かれたかのように叫ぶ姿を目の当たりにしてきました(ちなみにこの言葉の意味は未だに全くわかりません)さながらゾンビ映画パンデミックのように広がるハイロー熱。
虚ろな瞳で「観ればわかるんだよ…ほらとにかく観て…」と手招きしてくる友人たちを横目に、私は私でジャニオタ活動で忙しいしとてもじゃないけどEXILE系列にまで手は出せないな…それにジャニ好きだしちょっと好みと違うかも…なんて言って距離を取っていました。そう、表向きは。

ザワを観た今、気づきました。私、本当は怖かっただけなんじゃないかと。
EXILE THE SECONDやRAMPAGEの曲を聴きながら気分はスキンヘッドで拳を突き上げたり、上映終了5秒で出演者のアカウントフォローしてパトロールしたり、YouTubeの履歴がハイローで埋まっていく……そんな未知の世界に踏み込む未来を、恐れてただけなんじゃないかって。
でも、もう恐れる必要はありません。私の心は常に轟洋介と共にあります(推しです)(LDH所属ではありません)

あらすじ
SWORD地区の「漆黒の凶悪高校」鬼邪高校は定時制の番長・村山良樹が鬼邪高の頭を張っていた。鬼邪高の全日制に転入した花岡楓士雄は、いつの日か村山にタイマン勝負を挑むべく、全日制の天下をとる野望を抱いていた。均衡が保たれていた鬼邪高全日制だったが、その均衡は崩れ去り、各派が覇権を競い合う一大戦国時代を迎えていた。
一方、SWORD地区の隣町・戸亜留市では、リーダーの上田佐智雄を筆頭に過去最強と名高い新世代の鳳仙学園が勢力を強めていた。そんな中、鳳仙の生徒が鬼邪高を名乗る者たちから襲撃され、鬼邪高の生徒も鳳仙を名乗る者たちに襲われる事件が発生する。一連の襲撃事件を契機に互いに敵対心を抱いた鬼邪高と鳳仙が次第に殺気立っていく……(映画.com)

意味がわかりましたか?わからないですよね。大丈夫、ザワは観る映画ではなく"体感"する映画です。ザワに近づこうという意志さえあれば、自ずと心は開かれていきます。
まず、ハイロー世界には「常識的にはこうだよね」という俗世間のクソみたいな一般論や常識ルールなど存在しません。1に拳、2に友情、3、4がなくて5に拳です。この文脈を理解しておけば、ハイローへの理解度と没入度はグッと高まります。

ここまでさも知ったような口を叩いてきましたが、私はつい先日までハイローを"観ていない"側の人間でした。映画もドラマも何一つ鑑賞した経験はなく、情報源は友人との会話のみ。
そんなミリしら一歩手前レベルの人間でも、ザワを体感することは可能なのです。何なら私はあらすじすら調べずに映画館へ向かいました。なぜなら頼もしいハイローのオタクたちから「ストーリーとか気にしなくていいよ。事前の予習でドラマや映画を見てもよくわからないよ。私も未だに話がわからない。何なら台詞も聞き取れない。でもそれでいいんだよ」と熱い言葉を頂戴したからです。

しかし、ハイロー若葉マークである私はハイロー文脈を読み取る力と知識がまだまだ不足しています。ザワを観ている間、恥ずかしながら大小合わせて50以上の疑問が脳内を通り過ぎていきました。
ここではハイロー初心者の私がザワにぶっ壊された思考を整理しながら、どうしても頭に引っかかったポイントを感想と共に綴っていきたいと思います。

1.ハイロー世界における、曲がったきゅうり
きゅうりって美味しいですよね。でも、曲がったきゅうりはもっと美味しい───それを教えてくれたのは、今作の主人公である楓士雄(ふじお)とその幼馴染たちです。
幼馴染6人は同じ団地で生まれ育った仲間でしたが、それぞれが成長するにつれ疎遠に。お互いが高校生になり、みんなの思い出の場所兼溜まり場だった駄菓子屋の店主・サダばぁの葬式をきっかけに、久しぶりの再会を果たします。
その再会の場で「俺たちの思い出の味といえば……やっぱこれだよな」とおもむろにテーブルの上に置かれたものが、曲がったきゅうり。

「これこれ〜!やっぱこの味だよね〜!」盛り上がる幼馴染6人から引き離されて、私の意識は急激に宇宙の果てまで遠のいていきます。
なぜ?????
どうしてきゅうりなの?????
しかも曲がったきゅうりなの????
私がハイロー初心者だから……だから理解できないだけなの?私が知らないだけでハイローの世界では曲がったきゅうりは信仰の対象なの?ステーキのポジショニングなの?重要な存在なの?

きゃっきゃと盛り上がる幼馴染たちから光の速さで置いてけぼりをくらう私。
「絶対○○ちゃんも仲良くなれるから一緒に来なよ〜!」と言われた友達の友達グループに混ざったはいいものの、懐かしい給食の話や先生の話に加われない……そんな疎外感。

ハイローの先輩たちに「ハイローの世界ではきゅうりは重要なアイテムなんですか?」と後ほど確認したところ「いいえ。今作で初めて登場しました。私たちも意味がわかりません」との回答が返ってきました。だったら私に理解できる筈ないですね。キューカンバー解散!
ちなみに、応援上映ではこのきゅうりの場面で客席のペンライトが全面緑色に染まるらしいです。ハイローのオタクたちは、どうしてそんなにも適応能力が高いのでしょうか。

そしてこの曲がったきゅうり、実は物語の終盤で大きな伏線となって回収されます。曲がったきゅうりが伏線になるなんて誰が想像するかよ。

2.絶望団地とは
幼馴染6人が共に育った場所は団地だと先述しましたが、この団地は俗に"絶望団地"と呼ばれています。絶望団地には「殺人棟」「幽霊棟」「放火棟」「首吊り棟」など様々な名称の棟が存在し、貧困層が多く治安の悪い絶望団地では棟ごとに派閥が生まれ、犯罪が常態化しています。
ちょっと脳が追いつきませんよね?大丈夫、私もです。一体どの棟が一番治安が悪いのか字面からは想像もできない全て一人勝ち状態なのですが、もしも組分け帽で振り分けられるのなら多少マシそうなのは幽霊棟でしょうか。

この団地は鬼邪高の隣町にあるマンモス団地なため、後々主人公が鬼邪高に転入した際も「えっ!お前あの団地出身?!俺は殺人棟の○○!」などと秒で打ち解け合います。「お前どこ中?」みたいなもんです。会話のフックが深すぎる。

絶望団地の元々の正式名称はなんと「希望ヶ丘団地」なのですが、団地のアーチゲートは『WELCOME TO HOPE HILL』の文字が抜群の間隔で剥がれ落ち、『WELCOME TO HELL』になっています。これ思いついた瞬間、絶対に制作陣盛り上がったでしょ。わかるよ。

つらい子供時代を過ごした6人に温かく接してくれたサダばぁは、友情の証としてお揃いのペンダントを全員に渡してくれます。
そのペンダントは幼馴染たちの絆を象徴する大切なアイテムなのですが、木彫りのネームプレートに「天」「地」「人」「鬼」等がゴリゴリの書体で彫られたこだわりの一品。
そう、まさかの六道輪廻です。幼い子どもたちに六道を授けるサダばぁ、荒廃地区で長年商売を営んできただけあってただ者ではない。さすがはハイロー界のサラ・コナー。

3.なぜ未成年も通う私立高校が、メキシコの凶悪刑務所になるのか
少し前に「ハイロー世界には一般論や常識など存在しない」と書きましたが、その好例が鬼邪高です。

鬼邪高は昼間の全日制、夜間の定時制の二つからなる高校。定時制に通う生徒は五留で一流、成人済みの生徒が多く、ヤクザのスカウト待ちをしている所謂"ヤクザ予備軍"です。学校の頭、つまりトップになる為には「100発の拳を受けて耐え抜く」という武蔵坊弁慶並みの荒行を求められます(ここまで何言ってんだろう?)

鬼邪高での「卒業」は「退学」と同義語であり、「俺、卒業するわ」≒「退学」です。これは各々が将来の道を定めた際に自発的に適用されます。校長室に「あばよ」とでも書いて名前も添えれば手続き完了です。「卒業≒退学」退学自体をマイナスと捉えない前向きなシステムですね。

校門には有刺鉄線が張り巡らされ、落書きされていない壁は存在せず、辺り一面ゴミだらけの荒廃地帯。もはや机と椅子は本来の用途をなさず現代芸術のようにうず高く積み上げられ、教師の姿は影すら見えず、派閥同士の乱闘で治安の尖りっぷりは最高潮。
「メキシコカルテルがぶち込まれる刑務所か?」と見紛うほどの激烈ハードなハイスクールを目の当たりにし、はたしてこの世界に教育委員会は存在しているのか?と途方もない疑問が浮かんでは消え、なぜか徐々に頭の奥が痛くなってきます。

言い忘れていましたがそもそもハイロー世界は現実の日本が舞台ではなく、日本によく似たパラレルワールドが舞台です(恐らく)劇中で登場人物が「リトルアジアが〜」と口にしていましたが、一体そこがどの地域を指すのか私にはわかりません。
ハイローの先輩に「ハイロー世界は現実の日本ならどの当りがモデルなんでしょう」と尋ねると、「千葉辺りじゃない?」と返されました。千葉だそうです。(神奈川説もあり)

4.三権分立は機能しているのか
していません。

上記でも述べたように、ハイロー世界は現実の日本ではありません。そんな世界に対して、やれ三権分立だの教育機関だの司法行政だのと気にする私は本当にミジンコです。
ただ、本作では登場しませんが警察組織は存在するそうです。あと悪漢に鉄パイプでボコ殴りにされた仲間を見て「救急車ーーー!!!!」と絶叫していたので、医療機関も辛うじて存在する模様です。ICUと眼科の存在も確認済み。安心しました。

5.ハイローにおける小沢仁志の存在
今作には、あの小沢仁志が建設会社の親分役としてゲスト出演しています。小沢仁志は自らの身を持ってビーバップハイスクールの世界にマジもんの風を吹き込み、そしてその名でもハイロー世界を席巻します。
鬼邪高と対立する鳳仙学園には最強の四天王が存在します。そして彼ら4人はその強さから、ある総称で呼ばれ恐れられています。彼らの名前は、小田島、沢村、仁川、志田……………………もうお気づきになりましたか?それぞれの頭文字を取り、彼らはこう呼ばれています。「小沢仁志」と。

私が一番感動したのはこの斬新すぎる角度からの小沢仁志リスペクトではなく、その話を主人公たち含む数十名の鬼邪高生徒が聞いている間、誰一人として笑わず茶化さなかったことです。
私なら耐えきれず「なんですか?それ(笑)」と軟弱な口を開いてしまいます。でも彼らは違うんです。物凄く真剣に聞いてるんです。物凄く真剣に「小沢……仁志…だと…(ゴクリ)」ってなってるんです。このピュアネスさが現代には必要だと感じました。

6.トラックと脚立は、膠着状態の場面を切り開くマストアイテム
膠着状態の切羽詰まった状況の中、その場面を切り開くために必要なものはなんでしょうか。そう、ダンプカーです。

物語では同じ手段を用いた劇的な場面の繰り返しは基本的に避けられるものですが、ザワでは劇中、ダンプカーが2回突っ込んできます。
鬼邪高生にとってのダンプカーはビリー・アイリッシュの三輪車なので、乱闘中の生徒やバリケードに突っ込むくらいで大騒ぎすることではないのです。

そして、今作の裏主役と言っても過言ではない存在が────脚立です。
劇中一番の見せ場であり大興奮鳥肌ポイント、脚立界とアクション界に流れ込んだ革新的な風。終盤、絶望団地戦での大乱闘で脚立がもうめっっっちゃくちゃに大活躍するのです。え?!そんな使い方で?!この状況を打破できる?!?まさか!!!!と目玉が引っくり返ります。到底常人では思いつかないアクション技、天才です。
これは言葉では上手く説明できないし、言葉で語ることによって感動が損なわれてしまう気がするので、ぜひ実際に歴史が動く瞬間を目撃してほしい。

あと、ハイロー世界では石投げの技能も大切なアドバンテージになります。ある場面で「そう言えばあいつ石投げ上手かったよな……」という伏線が回収されます。こちらも鳥肌ポイントです。
そして単純に石投げが上手くて遠くの缶ジュースとか倒せると「お前すっげーーー!!!」と目をキラキラさせてリスペクトされます。

ハイローを見ている時って、基本的に脳が二層構造になってるんですよね。
イメージとしては、飲み物とか化粧品とか、二層になってるものってあるじゃないですか。よく振ってお使いくださいみたいな。正にそれなんです。
「おかしいよね?」と「でもこれがハイロー」という理性と本能が二層構造になって、いくら抵抗してみたところでHIROのブレインシェイクからは逃れられないんです。ひとたびシェイクされれば終わり。

7.絶望団地、希望の星が放つ「きゅうり説法」
6人の幼馴染たちは就職、進学などそれぞれの進路に進みましたが、中には有名な進学校に通い学年成績トップ、将来はどこの大学だって狙える!と教師に言わしめる絶望団地希望の星・誠司がいます。
誠司はとっても頭が良くて理性的で、穏やかな性格。麻薬組織の元で働くかつての幼馴染のことを常に気にかける、優しい少年です。

ある日、同級生たちが「鬼邪高の奴らってマジでクズだよなww」「ゴミだわww」と嘲笑する姿を目にし、彼は耐えきれず同級生たちの元へ………友達が馬鹿にされたらそりゃ言い返したくもなるよね!わかる!わかるよ!!
うんうんと誠司の肩に手を置こうとしたのも束の間、「そういうこと言うのやめろよ」という牽制の言葉も一切の躊躇もなく、速攻でおもっくそ重い拳を叩き込む誠司。

……………………………………………誠司???

忘れてた。そうだここはハイロー。ダチの悪口言われて何もしないなんて人間じゃねぇ、というハイローのストロング価値観を誠司だけが有してないなんてそんな馬鹿なことあるわけなかった。
 
もちろん、誠司はそのまま生徒指導室へ。
「どうしてこんなことしたんだ!お前ならどこの大学でもすすめるんだ!大事な時期なんだぞ!」ごもっともな教師の言葉を殊勝に聞く誠司。しかし教師の「それにお前……鬼邪高の奴らとも関わってるらしいじゃないか。あんな奴らとつるむのはやめなさい」という言葉に、誠司より先に私の脳内にやめておけ教師!!!!と警告音が鳴り響く。
制止も虚しく、誠司の瞳にギラリと暗い光が灯ります。

「先生………スーパーに並んでるきゅうりって、どれもこれも見事にまっすぐですよね……」

………………………………………………………誠司???

「きゅうりって、自然に育つと曲がるものなんですよ。つまり、スーパーに並んであるきゅうりは、無理やりまっすぐに矯正させられてるんです」

……………………………………………………誠司???

「彼らは、ただそのまま自然にまっすぐ育っただけなんですよ!!!!!!!僕は彼らが時々羨ましくなります!!!!!…………でもね!!!僕は一生懸命頑張って、スーパーの一番いい場所に並ぶまっすぐなきゅうりになって見せますよ!!!!彼らのためにも!!!!」

まさか…………………………この為の曲がったきゅうりだったの????


誠司のきゅうり説法、感動するか狂気かの二者択一だと思うんですが、私の意識は"狂気"に全振りしたまま心がなかなか元の場所に戻ってきませんでした。
私が生活指導教師なら、目をかけてた優等生が突然曲がったきゅうりの話を血走った目で捲し立ててきたら間違いなくちびっちゃうね。もう怖くてお盆のきゅうりは来年から見れないよ。

誠司は教師の偏見を否定しつつも、「でも、僕は立派なまっすぐのきゅうりになってみせます」と力強く宣言します。
恐らく誠司は彼等のためにも、この先(世間的に)立派な大学に入って立派な仕事に就くのだと思う。そしていつか、それを故郷に還元する筈です。貧困と暴力は密接に繋がり連鎖する。その連鎖から抜け出す手立てを自分は持っている。誠司はそれをわかっているからこそ、「まっすぐなきゅうりになる」のだろうなと。

轟洋介について

私の最推しです。まずビジュアル。最高です。制服魔改造か自主的私服登校の生徒が殆どの中、規定の学ランと白シャツ制服をきっちりと着こなす姿。黒髪、眼鏡。しかしそんな生真面目な姿と相反するように、左耳にキラリと光る銀色のピアス。最高ですね。

彼は過去に不良たちから執拗な恐喝を受け、それをきっかけに不良を激しく憎むようになります。壮絶なトレーニングを重ねた努力の末、圧倒的な力を身に着けました。
不良狩りに勤しみ、狩った相手の写真を撮ってコレクションしています。全国から札付きの不良が集まる鬼邪高を掌握すれば、実質的に不良の全国制覇だと考え、わざわざ鬼邪高に転校してくる執念の持ち主。

定時制番長にして鬼邪高トップの村山にタイマンを挑みますが、敗北。しかし最強の村山にはあと一歩敵わないもののその強さは本物で、全日制は彼が掌握しています。
見た目通り、成績も優秀でひとり静かに『君主論』を読むタイプの轟くん。頭もよくて喧嘩も強い………そんな轟に唯一足りないものは………人望です。
轟くん、ザワ劇中で「あいつが強いのはわかるけど、あいつの下にだけは付きたくない」と強さが一番の指標であるハイロー世界においても、その強さを認められた上で拒絶される性格なのです。おかげで全日制トップにも関わらず、轟一派と呼ばれる人員構成は轟含めてわずか3人。

ザワでは轟もマイルドになってきたのか目についた範囲ではそこまで性格の難も感じられず、ザワ入りの私は轟くんが「友達いない」「人望ない」と言われる度にホロリと静かに涙を流していました。かわいそうだよお!!!!(いやわかるよ。トップの器的なことでしょ。痛いほどわかるよ)

でもね、そんな轟くんにも2人の仲間がいるんです。轟が転校してくるまで全日制トップだった、芝と辻です。

二人は転校してきた轟に倒され、それ以来轟の実力を認めて行動を共にしています。ちなみに彼らの根城は放送室です。防音きいてる一番綺麗そうな部屋を確保してる辺りに轟一派の全日での立ち位置がうかがえて、思わず目を細めてしまいます。
轟一派ver予告編
https://youtu.be/kg2v17b6fZo
よくない?めちゃくちゃよくない?あんだけ人望ないって言われてる男にずっと付いてる辻芝コンビとこの3人、めちゃくちゃよくない?良さ感じるよね?

ザワ限定の眼帯姿にも震えが走ります。

ここまで長々とザワについて語ってきましたが、最後に大事なことを。
ハイローは、とにかく何よりアクションが最っっっっ高なんです。うわっ痛そう!って目をつむりたくなるアクションじゃなくて、本当にひたすら気持ちいい。こちらの期待を一切裏切らない、音の拍にパンパンはまっていく感覚。見ていて本当にストレスなく気持ちいい。
ガチで体を動かすことができる面子ばかり集めたらここまで壮観なのか、と惚れ惚れします。特に轟の流麗な飛び蹴り。そしてとにかく潤沢な資金に支えられたセットの作り込み、カメラワーク、圧巻の一言です。

あと、今作は脚本も凄くよかったんですよ。ハイロー伝説はチラチラと聞き及んでいたので一見さんお断りの凄い世界ではと不安でしたが、ザワは歴代の中でも一番脚本がしっかりしているらしく、その点でもストレスなく楽しめてめちゃくちゃ面白かったです。気になってる方は今がデビューの時だと、強く背中を押します。
アクションver予告編
https://youtu.be/WXel-GXdRag
鳳仙ver予告編
https://youtu.be/WXLXNs6XMKE
背中を押された結果↓


ここ最近、なんかモヤモヤする。ムシャクシャする。仕事で疲れた。なにかスッキリしたい。エンタメを観て鳥肌が立つ経験を久しくしてない。
そんな方、まだギリギリ上映延長している劇場もありますので、ぜひ気が向かれた際にはザワを摂取してみてください。私もこれからハイロー履修に勤しみたいと思っています。

ザワを観に行ったとき、隣の席には中学生の女の子二人組が座っていました。彼女たちは終盤の幼馴染の絆を感じる場面で、ボロボロと号泣していました。
そして、映画が終わり劇場内が明るくなると、はぁ〜〜っと満足の息を吐いて「なんかさぁ……ハイロー見たあとって、自分がちょっとだけ強くなった気になるよね」と言ったんです。ハイローの感想でこれ以上のものはないな、と私も勝手に心の中で賛同させて貰いました。

もう一年も残すところあと僅か。このままでは私の年間映画ベストの2トップは、『映画 少年たち』と『HiGH&LOW THE WORST』という前代未聞の事態になりそうです。
hagornmo1367.hatenablog.com